赤ちゃんのエナメル質形成不全って何?原因や対策について
赤ちゃんの歯は、普通は乳白色です。
しかし、まれに茶色の歯や黄色の歯が生えてくるケースもあります。
この症状は、エナメル質形成不全と呼ばれる症状です。
通常であれば、歯の表面はエナメル質で覆われています。
ところが、エナメル質形成不全の場合は、エナメル質のコーティングに問題があり、歯が弱い状態になってしまうのです。
歯が弱いと虫歯になりやすいので、気が付いたらすぐに歯科医の診察を受けることが大事です。
エナメル質形成不全は虫歯になりやすい
人間の歯は、エナメル質、セメント質、象牙質など様々な材質で構成されています。
エナメル質は、人間の体の中で最も硬い材質です。
透明感のある白くて美しい歯の敵が、虫歯です。
虫歯は、エナメル質、象牙質、神経、歯根という順で進みます。
最も外側にあるエナメル質が正しく形成されていないと、虫歯菌が入りやすくなります。
象牙質まで虫歯が進行しているC2の状態になると、痛みを感じやすくなります。
エナメル質形成不全の症状の程度
エナメル質形成不全は、症状が軽いケースと重いケースがあります。
軽い場合は、歯が生えたばかりの状態でも変色しているのが特徴です。
一方、重度の場合は、生えた歯が変形しています。
生えてきた歯が他の歯と違う色であった場合は、すぐに診察を受けて調べてもらった方が安心です。
エナメル質形成不全となる原因とは?
乳歯がエナメル質形成不全になる原因のひとつが、早産です。
早産の場合、母親からの栄養が十分に届かなくなり、エナメル質形成不全になってしまうことがあるのです。
母親が栄養失調だと、子供に十分な栄養が行き渡らなくなります。
カルシウムやビタミン、リン酸が不足すると、歯の病気になりやすくなるので注意が必要です。
妊娠初期に母親が飲んだ薬が原因になることもあります。
ですから、妊娠初期に薬を処方してもらう場合は、生まれてくる子供に影響がないか医師に確認することが大事です。
エナメル質形成不全の治療とは?
エナメル質が壊れると、虫歯菌が侵入しやすくなり、深刻な虫歯になることもあります。
治療では、エナメル質の代わりに新しいバリアを作り、歯の表面を強くします。
軽度であれば、歯科医院で定期的にフッ素を塗布します。
高濃度のフッ素を塗布すれば、歯の質を強くすることができます。
溶けにくい強い歯を作ることができれば、虫歯の予防にもなります。
表面にくぼみがある場合は、重度です。
歯にくぼみがあると、歯磨きをしても汚れが残りにくいため、虫歯になりやすいです。
重度になると、熱いものや冷たいものを食べた時に、しみることもあります。
赤ちゃんは、治療をすることが難しい場合も多く、軽症の場合は、歯科医にフッ素を塗布してもらって様子を見ることが多いです。
治療ができるようになったら、本格的な治療を行います。
フッ素を塗布すると歯の質が強くなり、虫歯菌が出す酸によって溶けにくくなるので虫歯を防ぐことができます。
再石灰化を促すことができれば、初期虫歯を元の状態に戻すことが可能です。
乳歯の虫歯がエナメル質形成不全の原因に?
乳歯が虫歯になると、永久歯になった後にエナメル質形成不全になることがあります。
乳歯の虫歯は、特に進行しやすく、気付かないまま放置していると、すぐに悪化して神経に達します。
定期的に病院に通って歯科医の診察を受けていると、歯に問題が起きている場合でもすぐに見つけてもらえます。早く治療することができれば、回復も早まります。
永久歯の形成不全は、永久歯が生えるまで待つしかありません。
乳歯の形成不全の原因が、永久歯の形成不全に直接つながるわけではありません。
しかし、永久歯にも形成不全が見られた場合は、歯の形や色を審美的なことも考えて治療することが多いです。
かかりつけの病院で定期的に歯の検査とフッ素の塗布を受けながら、永久歯の生えかわりも含めて担当医とよく話し合うことが大切です。