歯の再石灰化とは?再石灰化のメカニズムについて

8020運動(80歳で20本残そうという運動)の推進など、歯は口の中だけでなく体全体の健康に非常に大切な役割を持っています。
前から見える部分がなくなると途端に老けて見えますし、奥歯がなくなってきちんと噛めなくなると胃腸はもとより脳の働きも鈍るといわれています。
大切な歯を守るためにはどのように心がければよいでしょうか。
口内では日々どのようなことが起こっているのか?
実は、口の中では短いサイクルで修復作業が行われています。
それが「再石灰化」と呼ばれる現象です。
食べ物は酸性~弱酸性のものが多く、食事をすると口の中が酸性に傾きます。
普段の口の中はほぼ中性に保たれているのですが、急激に酸性へと傾くことになります。
そうなると、歯の表面を覆うエナメル質は口の中が酸性になるとどんどん溶け出していきます。
また、口の中に住んでいる細菌が糖分を栄養にして酸を出し、ますます酸性に傾いていきます。
ミュータンス菌が有名ですが、乳酸菌の仲間なども酸性物質を出すのです。
脱灰⇒再石灰化というメカニズム
こうして表面が溶け出てしまう現象を脱灰といいます。
普段はあまり気にしていませんが、口の中にモノが通るたびに脱灰→再石灰化は行われています。
表面が溶けているといわれると驚きますが、溶け出した後はきちんと修復するという作業が繰り返されているのです。
何によって修復作業は行われるのでしょうか。
ここで登場するのが唾液なのです。
唾液は口内環境の維持にかかせない
体は唾液を分泌し口の中を守ろうとします。
悪さをする菌を殺菌する作用はもちろんのこと、水分を含ませ流すことで菌の数自体を少なくする効果もあります。
唾液そのものにも分解酵素が含まれているので、残渣(食べ物のカス)を取り除くと同時に口の中を中性に戻す働きがあります。
重要なのが再石灰化を促すという働きです。
唾液には、エナメル質の主成分であるハイドロキシアパタイトが含まれており、溶け出した成分を補っているのです。
おいしそうなものを見ると唾が出るのは、これから食事をして酸性に傾くであろう口の中を早く正常な状態に戻すための条件反射なのです。
口の中を潤すというだけでなく、唾液にはとても優れた働きがあるのです。
よだれと言って侮っていられない、大切な分泌物なのです。
食後すぐの歯磨きは良くない?
ですから、食べた後すぐ歯を磨くのは本来ならばあまりお勧めできません。
唾液による再石灰化は、食事後10分程度で始まりますが、口の中が中性に戻るのはおよそ30分後です。
口の中が酸性の状態でブラシでこすると、表面が傷つきやすくなるばかりなのです。
その際に唾液を流してしまうのも悪循環につながります。
できればうがいなどもせず、20~30分は時間を空けてから磨くようにするとよいでしょう。
口の中が中性に戻った状態できれいにすれば、健康な状態が続きます。
エチケットからするとすぐに磨きたいところですが、少なくとも強くブラッシングするのはNGです。
ダラダラ食事は虫歯の元
だらだらとモノを食べ続けると虫歯になりやすくなるといわれているのは、再石灰化する間がないからです。
口の中は酸性に傾き続け、やがてエナメル質が修復できないほど溶け出してしまいます。
こうなると、自然に治ることはありません。
いくら唾液に有効成分が含まれているといっても限度がありますから、こうなると治療が必要になります。
食事→唾液の分泌→再石灰化→中性に戻るというサイクルは2時間以上間が開いているほうが良いといわれています。
コーヒーを何杯も飲むだけでも良くないのですが、糖分がたくさん含まれた清涼飲料水を飲むのは一番よくありません。
シュガーレスのものでも、唾液を口の中にとどめずすぐに流してしまうことになりますから、長時間かけてチビチビ飲むというのは、口の中の健康に対して一番よくない行為といえるのです。
口の中で起こっていることを知り、正しい情報のもとお口のケアをしていきましょう。





