食後すぐに子供の歯磨きを行うのはNG？歯が溶けるって本当？
なにかものを食べた後・飲んだ後にすぐに歯磨きを行うといった人は多いと思いますが、食後すぐの歯磨きは口内環境に悪いという説があります。
その説とは食べたものの酸によって唾液の中で中和がおきて、歯の外側にあるエナメル質が一時的に柔らかくなり、それが再び硬くなるのに30分かかるという海外の研究内容が根拠になっています。
エナメル質がやわらかいときに歯を磨いてしまうと、歯が溶けてしまうといった内容です。
海外の研究内容から食後すぐに歯磨きをしてしまうと、エネメル質を削ってしまうと指摘する人が出てきて、食後30分後に歯を磨こうというような説も出てきました。
食後すぐの歯磨きを推奨する意見もある
食後すぐの歯磨きは歯が溶ける、というような説に警鐘を鳴らしたのは、日本小児歯科学会です。
この説は虫歯ではなく酸蝕症という実験結果から考察されたものなので、普通の食生活をしている人には当てはまりにくい現象であると発表しました。
子供はとくに食後は早めに歯を磨いた方がいいと注意を促したのです。
歯を磨かないままでいると、歯垢の中にある細菌によって糖質が分解されて酸が産生されます。
そうすると歯が溶け出す脱灰現象が始まります。
食後はなるべく早く口内の歯垢と細菌を取り除くことが重要であるとの理由から、食事をしたあとはなるべく早めに歯を磨いた方が良いと日本小児歯科学会は発表しています。
なるべく早めに歯を磨いた方がいい理由ですが、歯磨きを遅らせば遅らせるほどに口の中ではより多くの酸が作り出されてしまう可能性があるためです。
しかし例外はあります。
たとえば炭酸飲料を飲んだあとは、酸性のものを口の中に含んでいたので、歯の表面のエナメル層が一時的に柔らかくなります。
つまり普段よりも傷つきやすい状態になります。
このときはすぐに歯を磨くよりも、水などで口をゆすぐ程度にしておくことをおすすめします。
しばらくしたら歯を磨くことをおすすめします。
大切なのは歯磨きのタイミング
ここで重要になってくるのは歯を磨くタイミングです。
朝は食前に歯を磨くことをおすすめします。
何故朝食を食べる前に磨いた方がいいのかというと、寝ている間は唾液の量が減ってしまっているので、口の中では細菌が増殖しているためです。
朝起きたら歯を磨かないでそのまま朝食を食べると、最近を身体の中に取り入れてしまうということになります。
一日の中で一番重要なタイミングは就寝前に歯を磨くときとなります。
虫歯のリスクがもっとも高くなるのは就寝中です。
寝ている間に細菌が増殖すると、虫歯や歯周病の進行をうながしてしまうのです。
寝ている間のトラブルを防ぐためには、寝る前にきちんと歯を磨きプラーク（歯垢）コントロールを行って、口の中の細菌の数を減らしておくことが重要です。
おすすめはフッ素配合の製品を使って、就寝前はできるだけ丁寧にゆっくりと歯を磨く習慣が大切です。
できれば10分以上、少なくとも5分以上のブラッシングを行うようにしましょう。
日本小児科学会が警鐘をならしたあとでも、食後すぐに歯を磨くのはNGという説は完全にはなくなっていません。
子供の歯を守るためには、俗説に惑わされずに正しい知識で日々のブラッシングを行うことが大切です。
タイミングよりももっと重要なのは磨き方
大切なのは歯をいつ磨くのかということよりもどうやって磨くかということです。
口の中がさっぱりすればOKではありません。
きちんと歯が磨けていないと虫歯や歯周病などのトラブルに陥りやすくなってしまいます。
とくに子供の歯で永久歯に生え変わるときが一番重要です。
乳歯はどうせ抜けるからといってお手入れをきちんとしていないのもいけません。
子供の頃から保護者がきちんと歯を大切にすることの重要さを教えていくことが大切なのです。
